デザインファイルを開いたまま、AIに「このボタンの配置を2パターン出して」と頼んで、返ってきた案をそのキャンバスで確認して選ぶ。そういう作業の仕方が、Figmaの中に入ってきました。

2026年5月20日、FigmaはAIエージェント「Figma agent」を発表しました。Figma Designのキャンバス上で動く機能で、別のAIチャットへ切り替える必要がない設計です。現在はclosed betaで、段階的な展開が始まったばかりです。

Figma agentがキャンバス上で複数のデザイン案を並列生成しているイメージ

キャンバスの左側ナビゲーション、またはファイル上から直接呼び出せる設計で、ファイルを切り替えずにAIへ作業を依頼できます。

🖥️ キャンバスを出ずに頼める、この設計が新しい

これまでのFigma上のAI機能は、テキストを一括生成したり、プラグイン経由でAIに素材を渡したりする形が中心でした。Figma agentは、その手前にある「作業そのもの」をキャンバス内で引き受ける設計です。

公式ブログによると、エージェントはFigma内のコンポーネント、デザイントークン、ベストプラクティスを理解した状態で動きます。「Figmaのルールを知らないAIに説明してから頼む」という往復が要らない可能性があります。

ChatGPTやCodexのエージェント機能も、同じように作業ツールの内側に入ってきています。「別のアプリでAIに相談してから持ってくる」という一往復が、ひとつずつ消えていく段階です。

🔧 今できることと、まだできないこと

Figma公式のHelp Centerには、対応済みの機能と未対応の機能が明示されています。

対応済みの例として挙げられているのは、0から1の画面生成、レイアウト編集、コンポーネントインスタンスの編集、スタイルや変数の適用、テキスト・画像などのコンテンツ一括生成、フィードバック整理、コメントのレビューです。

Figma agentの対応機能と未対応機能の比較図

この図は、対応済みと未対応を一覧で示したものです。頼める範囲を事前に把握しておくと、実際の作業で使い方の見当がつきます。

一方で、未対応として挙げられているのはベクター編集、アイコン作成、プロトタイピング、アニメーション、アセット書き出しなどです。Web検索や高度な視覚効果への対応も今後に持ち越されています。

ちょっと気になるのは、「コメントのレビュー」が対応済みに含まれている点です。コメント欄に積み上がった指摘をAIがまとめて修正対応に落とし込んでくれるなら、使い道は広がります。デザイナー以外が関わるレビュー作業でも、選択肢になりえます。

ただしclosed betaがどこまで広がるかによるので、実際の精度はclosed betaの展開が進むまで見えません。

📋 使えるプランと今後のスケジュール

Professional・Organization・EnterpriseプランのFull seatユーザーが対象です。Dev seatまたはCollab seatの場合は、Draftsフォルダ内でのみ試用できます。Starter・Education・Governmentプランは対象外です。

ベータ期間中はAI creditsを消費しません。ただし一般提供が始まった段階でAI creditsが適用される予定と、公式ブログに明記されています。

早期アクセスはウェイトリスト登録制で、登録してもアクセスが保証されるわけではないと公式が説明しています。「今後数週間で段階展開」が現時点のステータスです。

💼 デザイナー以外にも関係する変化

Figmaは、デザイナーだけが使うツールではありません。企画・マーケ・プロダクト担当、セールスが画面レビューのためにFigmaファイルを開く場面は、スタートアップや制作会社では珍しくないです。

「別案を3パターン並べて見比べたい」「このボタンの文言を5種類出して比べたい」という作業を、AIに直接依頼してキャンバスで確認できる可能性が出てきます。デザイナーへの依頼を介さずに、たたき台の量産だけAIに任せる形です。

公式ブログ自身も「生成が簡単になるほど、平均的なアウトプットが増えるリスクがある」と触れていました。複数案を出させて人が判断する、という使い方のほうが現実的です。AIに丸投げしてそのまま採用することを、公式も想定していないようです。

参考

  • Figma公式ブログ - The Figma design agent is here(https://www.figma.com/blog/the-figma-agent-is-here/)
  • Figma Help Center - Work with the AI agent in Figma Design(https://help.figma.com/hc/en-us/articles/37998629035799-Work-with-the-AI-agent-in-Figma-Design)
  • TechCrunch - Figma adds an AI assistant to its collaborative canvas(https://techcrunch.com/2026/05/20/figma-adds-an-ai-assistant-to-its-collaborative-canvas/)
  • The Verge - Figma has a product design AI agent(https://www.theverge.com/ai-artificial-intelligence)