Adobe AcrobatのAIエージェントとPDF Spacesの概念図

Adobe AcrobatにPDF Spacesが登場。PDFを送るだけから、相手がその場で質問できる場所へ

資料を送って、相手から質問が来るまで待つ。PDFにはずっとそういう時間が付きまとっていました。 Adobeが2026年5月6日に発表したPDF Spacesは、その構造を変えようとしています。PDFを添付ファイルとして送るかわりに、AIが概要を説明し、相手がその場で質問でき、送った人は誰がどこを読んだか把握できる共有スペースとして渡せるコンセプトです。 PDF Spacesは発表当日の2026年5月6日から利用を開始できるとAdobeは説明しています。同時に発表された「productivity agent」の全体構想は今後数か月で順次展開予定です。今すぐ使える機能と今後の予定は、分けて見るのが正確です。 📄 今日から使えるPDF Spacesの機能——AI質問応答、音声概要、スペース共有 PDF Spacesの主な機能は三つです。AI質問応答、音声概要、そして複数文書をまとめた共有スペースの作成で、Adobeはいずれも発表当日から利用を開始できると説明しています。 AI質問応答は、PDF Spacesを開いた相手がAI Assistantに資料の内容を直接質問できる仕組みで、回答には引用元のページ番号と記述が表示されます。「この条件はどこに書いてありますか」のような確認に答えられる設計なので、送った人が質問を一つひとつ処理しなくても済みます。 音声概要はポッドキャスト風の音声で資料全体の要旨を伝える機能です。30ページある報告書の全体像を耳から確認してから読み始める、といった使い方が想定されています。スペースには複数のPDF、文書、リンク、メモをまとめて入れることができ、Adobeはプレゼン資料の自動生成も可能な機能として説明しています。 PDFを読ませるだけでなく、受け取った人が次に聞きたいことまで同じ場所に置ける点が、この機能の強みです。資料共有が、一方通行の送付から対話の入口に変わります。 🎯 受け取る相手ごとにAIの説明スタイルを変えられる PDF Spacesを共有するとき、AI Assistantの対象読者とトーンを設定できます。Adobeは中学生向けに専門用語を解く例と、エンジニア向けに応用例を中心に話す例を挙げています。 同じPDFを営業部向けと技術部向けで別々のスペースとして渡す使い方もできます。ブランドのロゴや配色を加えてスペースの見た目を整えることも可能で、外部への共有でも資料としての体裁が保てます。 ちょっと気になるのは、スペースを複数管理するコストです。相手ごとに設定を変えてスペースを作るとなると、スペースの数が増えて管理が煩雑になる場面が出てきます。どのパターンを誰に送るか事前に設計しておかないと、かえって手間が増えることになりそうです。 📊 閲覧状況を見て、フォローの順番を決められる PDF Spacesには、共有後に相手の関与状況を確認できる機能も含まれています。誰がスペースを開いたか、どのセクションに時間をかけたかがわかるので、商談のフォローアップで「相手がまだ読んでいない箇所」を把握して連絡するタイミングに活かせます。 社内で使う場合は、閲覧状況が記録される前提をチーム内で共有するのが合っています。誰がどこを読んだかが見える設計は便利ですが、使い方を誤ると「監視されている」と受け取られます。外部の顧客に送る場合も、閲覧状況が共有者に見えることをあらかじめ伝えるほうが自然です。 🤖 productivity agent——今後数か月で広がる構想の部分 Adobeは「productivity agent」も同日発表しましたが、公式ブログには「in the coming months」と明記されており、全機能が今すぐ使える状態ではありません。 構想の中心は、複数のエージェントが連携して作業を進める仕組みです。資料の要約からPDF Spaceへの共有、そこからプレゼン資料やSNS投稿の生成まで、一連の流れをAIが引き受ける設計が説明されています。Adobeのcreative agent(デザイン系の別エージェント)との連携も視野に入っているとされています。 現時点で動いているのはPDF Spacesの共有体験です。productivity agentが担う「複数エージェント連携によるワークフロー自動化」は、今後数か月で順次追加される予定と理解しておくのが正確です。 💼 提案書・研修資料・社内規程を渡す仕事への影響 PDFを資料として渡す仕事では、資料共有の役割がかなり変わります。 営業が顧客に提案書を送るとき、相手がその場でAIに質問できる状態で渡せるようになります。「添付で送ったらあとは相手任せ」でなく、資料と一緒に「この資料に答えるAI」も渡せる段階に変わります。人事・総務が入社書類や社内規程を配布するときも同様で、「読んでわからなければ聞いてください」の代わりにAIが初期対応できる体制をPDFと一緒に渡せます。 読む側は、音声概要やAI要約で全体像をつかんでから読み始められます。契約内容、金額、法的な文書では原文の確認が残ります。AI要約で全体をつかみ、最終判断は原文に戻す流れが現実的です。 AIの回答には、要約の抜けや解釈のずれが起きます。重要な文書を渡す場合は、「AIの回答は参考情報で、判断時は原文を確認する」と共有時に添える運用が合います。 📚 参考 Adobe Blog — Adobe’s new productivity agent: Redefining how we understand, create and share(https://blog.adobe.com/en/publish/2026/05/06/adobes-new-productivity-agent-redefining-how-we-understand-create-share) Adobe Blog — Stop sending files and start sharing experiences with PDF Spaces in Acrobat(https://blog.adobe.com/en/publish/2026/05/06/stop-sending-files-start-sharing-experiences-with-pdf-sapces-acrobat) Adobe — Acrobat Express(https://www.adobe.com/acrobat/acrobat-express.html) Adobe — Do That with Acrobat(https://www.adobe.com/acrobat/campaign/do-that-with-acrobat.html) The Verge — Adobe made an AI agent for PDFs(https://www.theverge.com/ai-artificial-intelligence)

May 7, 2026 · 1 min · AI Navi JP編集部
Google HomeのGemini 3.1更新を示す図解

Google HomeのGeminiが3.1に更新、複数の用事をまとめて頼めるように

「買い物リストに卵を追加して、ついでに明日の歯医者を1時間後ろにずらして」。そんな声かけを、Google Homeが受け取れるようになりました。 5月5日のGemini 3.1更新で、Google Homeの音声アシスタントは複数ステップの命令に対応しました。両手がふさがっていても声でスケジュールを動かせる、そういう操作が現実になりつつあります。 4月の速度改善、5月は「複数命令の理解」へ Googleは2026年5月5日、Google Nest Help公式ヘルプページのリリースノートを更新し、Gemini for Home音声アシスタントのGemini 3.1への更新完了を説明しました。 Gemini for Homeは、Google HomeのスピーカーやNestディスプレイで使える音声アシスタントです。今年4月から日本を含む国と日本語が早期アクセスに加わり、4月28日の更新ではライトやプラグ操作の応答を最大1.5秒短縮していました。 今回の5月5日更新はその流れの上にある、速度ではなく「何を理解できるか」の面での強化です。 買い物リストとカレンダーを一度の声かけで動かせる 従来のスマートスピーカーは、短い命令1つには強く、前後関係のある複合的な依頼には弱い面がありました。Gemini 3.1では、買い物リストに項目を追加しながら同時に別リストの項目をチェックする操作を、1回の声かけで処理できるようになったとGoogleは説明しています。 カレンダー操作の範囲も広がりました。終日予定の作成・変更、繰り返し予定の設定、今後の予定の確認、予定時刻の移動を自然な言い方で伝えられるようになったとのことです。 音声操作では、入力の場面そのものが変わります。Gemini Advanced(ブラウザやスマホで使えるGeminiのテキストチャット)では、複数の指示を一度に出して処理してもらう場面がすでに増えています。ただ、テキスト入力には画面と手元の操作が必要です。音声なら、料理中や片付け中でも予定とリストを同じ流れで頼めます。 日本でも対象だが「全員が今日から」ではない 日本はGemini for Homeの早期アクセス対象国に含まれており、日本語も対応言語として案内されています。 ただし、実際に使うには条件があります。早期アクセスへの申請または招待が必要で、対応しているGoogleスピーカーまたはNestディスプレイが必要です。Gemini LiveやカメラのAI解析など、一部機能はGoogle Home Premiumプランの対象です。 基本的な音声アシスタント機能は追加料金なしで使えますが、プランによって使える機能の幅は異なります。日本語対応とはいっても、今日すぐ全員が同じ体験になるわけではありません。対象デバイス、申請の手順、プランの違いを事前に把握してから切り替えを検討するのが現実的です。 Gemini for Homeへの切り替えは一方通行 Gemini for Homeへ切り替えると、そのデバイスではGoogle Assistantは使えなくなります。Googleは「切り替え後はGoogle Assistantへ戻せない」と公式に明示しています。 以前のGoogle Assistantで動いていた家電の連携やルーティンが、切り替え後も問題なく機能するかどうかは、切り替え前に把握しておく価値があります。 Spring 2026 updateには、PCブラウザからカメラ履歴検索やデバイス確認ができる「Ask Home on Web」のパブリックプレビュー予定も含まれています。音声での複数命令対応と、Webからの操作拡張が同時に進んでいます。早期アクセスが全体展開に移れば、Google Homeを日常の操作の入口として使う場面は増えていきます。 参考 The Verge:Google Home’s Gemini AI can handle more complicated requests (https://www.theverge.com/tech/924755/google-home-gemini-3-1-upgrade) Google Nest Help:What’s new in Google Home (https://support.google.com/googlenest/answer/15962877?hl=en) Google Nest Community:Google Home Update (Spring 2026): Home sweet home is now more helpful (https://www.googlenestcommunity.com/t5/Blog/Google-Home-Update-Spring-2026-Home-sweet-home-is-now-more-helpful/ba-p/802246) Google Nest Help:Gemini for Home early access (https://support.google.com/googlenest/answer/16618650?hl=en)

May 6, 2026 · 1 min · AI Navi JP編集部
Anthropic・Blackstoneが中堅企業向けClaude導入支援会社を設立

Anthropic・BlackstoneがClaude導入専門会社を設立、中堅企業のAI活用は変わるか

地域の病院では、事前承認ひとつ処理するのに何十もの項目確認と書類入力が走ります。作業量が多く、ミスが保険請求の遅延に直結する。 こういった現場にClaudeを組み込む専門会社を、Anthropicが立ち上げました。2026年5月4日の発表です。BlackstoneやHellman & Friedman、Goldman Sachsとの共同設立です。 Blackstoneら金融大手と組む15億ドルのジョイントベンチャー Anthropicの公式発表によると、BlackstoneとHellman & Friedmanがそれぞれ約3億ドル、Goldman Sachsが約1億5,000万ドルを出資する見込みです。WSJはこの新会社を15億ドル規模のジョイントベンチャーと報じています。General Atlantic、Apollo Global Management、GIC、Sequoia Capitalなども支援に加わり、中堅企業向けAI支援が投資テーマとして扱われ始めたことが見えます。 新会社が向かう先は、大手グローバル企業ではなく中堅規模の企業群です。Anthropicが名指しするのは、地域銀行、中堅メーカー、地域医療システムといった組織。 これらは「AIの恩恵を受けられる一方で、高度なAI導入を自社だけで構築・運用するリソースが十分にない」とAnthropicは説明しています。AIを買うだけでは現場に根づかない、という前提が置かれているわけです。 Anthropicは2026年初頭に、Claude導入を支えるパートナー制度「Claude Partner Network」へ初期投資として1億ドルを投じると発表していました。今回の新会社は15億ドル規模で、その15倍です。Partner Networkがコンサル各社への研修・技術支援・共同営業を整えるものだったとすれば、今回は現場に入って実装を担う体制そのものへの投資です。 顧客の現場に入る専任チームの体制 新会社がどう動くかは、公式発表の表現が端的に示しています。AnthropicのApplied AIエンジニアが新会社のエンジニアとともに顧客企業へ入り、Claudeの効果が最も大きい業務を特定し、カスタムソリューションを構築して長期的に支援する流れです。 典型的な入口は、小さなチームが顧客と密に話すところから始まります。どの作業に時間がかかっているか、どこにミスが出るか、それを現場で聞き取り、Claudeで効果が出る場所を絞り込んでいく。システムを渡して終わりではなく、使われ続ける状態を一緒に維持するモデルです。 Claude Maxを日常的に使うわたしの立場から言うと、Claudeに質問して返答を得ることと、業務フローに組み込んで一定品質の出力を継続的に得ることは、まったく別の話です。前者は個人でいつでも始められますが、後者には業務設計の見直し、既存システムとの接続、出力品質の検証が必要になります。その手間を専門チームが引き受けるのが、今回の会社の本質です。 地域医療・銀行・製造の現場で何が変わるか Anthropicの公式ページでは、医療サービスグループを具体例として挙げています。文書作成、医療コーディング、事前承認手続き、コンプライアンス確認など、毎日大量に発生し、高い正確さが求められる作業です。 地域の中堅医療機関がこういった業務にAIを導入しようとしても、社内にAIエンジニアのチームを抱えることは現実的ではありません。地域銀行では顧客対応記録の整理や融資補助書類の確認、中堅メーカーでは品質管理文書の処理など、定型作業は豊富にあります。ただ、どこにAIを入れ、どう品質を保証して、既存システムとつなぐかを設計できる人材が社内にいないケースがほとんどです。 この新会社が担うのは、その専門性を外から持ち込む役割です。ITコンサルやシステムインテグレーターが大企業向けに提供してきた現場支援を、中堅企業にも届ける受け皿に相当します。 Anthropicの企業向け戦略が二段構えになった この動きをAnthropicの全体戦略から見ると、ひとつの構造が見えてきます。Claude Partner Networkでは、Accenture、Deloitte、PwCといった大手コンサル・システムインテグレーターと組んで大企業向けの導入支援体制を整えました。今回の新会社は対象を中堅企業に広げる、二段構えの設計です。 モデルの性能を磨くことと、現場で使われる状態を作ることは、別の仕事です。大企業はパートナー経由、中堅企業は今回の新会社経由という棲み分けで、Claudeを届けられる企業の裾野を一気に広げようとしています。 日本の中堅企業にとって、この新会社がすぐに直接関係するかどうかはまだわかりません。Anthropicの発表には日本市場への具体的な言及は見当たりません。 ただ、AI導入を誰が設計するかという問題は、国内の中堅企業でも同じように立ちはだかっています。Claudeを業務に組み込む専門支援の受け皿がどこにできるかという観点で、この新会社の展開を追う価値はあります。 参考 Anthropic - Building a new enterprise AI services company with Blackstone, Hellman & Friedman, and Goldman Sachs(https://www.anthropic.com/news/enterprise-ai-services-company) The Wall Street Journal - Anthropic Unveils $1.5 Billion Joint Venture With Wall Street Firms(https://www.wsj.com/business/deals/anthropic-nears-1-5-billion-joint-venture-with-wall-street-firms-8f5448ee) ITmedia NEWS - Anthropic、Blackstoneらと新会社設立 中堅企業へのClaude導入支援(https://www.itmedia.co.jp/news/articles/2605/05/news023.html) Anthropic - Introducing the Claude Partner Network(https://www.anthropic.com/news/claude-partner-network) ※当サイトのリンクにはアフィリエイトリンクが含まれる場合があります ...

May 5, 2026 · 1 min · AI Navi JP編集部
アカデミー賞のAIルール2026、人間の著作性を明文化

アカデミー賞がAI俳優・AI脚本を対象外に。人間の創作の中心はどこか

仕事でAIに文章を手伝わせる。画像案を出させる。資料の骨子を整えさせる。そういう使い方が当たり前になってきた2026年、ハリウッドの映画賞がひとつの線を引きました。 2026年5月1日、米映画芸術科学アカデミーが第99回アカデミー賞の新ルールを承認しました。俳優賞と脚本賞の対象を「人間が同意して演じた」「人間が書いた」に限定する内容です。AIを使うこと自体の禁止ではありません。人間が創作の中心にいたかどうかを、賞の基準として明文化した形です。 映画業界の規則に見えますが、AIを仕事で使う人なら誰にでも関係する問いがここには含まれています。 俳優賞・脚本賞に加わった新条件 米映画芸術科学アカデミーの理事会は2026年5月1日、第99回アカデミー賞の賞規則を承認しました。対象となる長編映画の劇場公開期間は2026年1月1日から12月31日で、主要な提出締切は2026年8月13日以降に始まります。今年後半に公開される作品から、このルールが初めて実際に問われます。 変更のポイントは二つです。 俳優部門では、映画のクレジットに記載され、人間が同意したうえで実際に演じた役柄だけがノミネートの対象になります。故人の俳優をAIで再現した映像や、AIで一から合成したキャラクターを「人間の演技」として評価することはしない、という整理です。 脚本部門では、脚本クレジットが必要で、その脚本は人間が書いたものでなければなりません。AIが初稿を生成して人間が全面改稿した場合をどう扱うかは、現時点のルール文書には明示がありません。 アカデミーの公式ルール文書には、生成AIやその他のデジタルツールを使うこと自体はノミネートの可能性に有利にも不利にも働かない、と明記されています。判断の基準は「人間が創作の中心にいたか」です。AP通信の報道によると、アカデミー会長は「人間が創作プロセスの中心にいる必要がある」と述べています。疑義がある場合、アカデミーは映画制作者に対し、AI利用の内容と人間の著作性について追加情報を求める権利も持ちます。灰色地帯の案件は、審査の場で個別に判断されるということです。 なぜ今この明文化が必要になったのか 2023年、ハリウッドでは俳優と脚本家が大規模なストライキを行いました。AIによる脚本生成、俳優の肖像や声の無断使用、制作現場の雇用への影響が主な争点でした。その後も変化は続いています。 AIで一から合成した俳優キャラクターが映画に登場し始め、故人の俳優をAIで再現する企画も出てきました。テキストから動画を生成するモデルの精度も上がり、「これは本物の俳優の演技なのか」という判断が難しい場面が増えています。映像を見て、あれ本物?と思った経験がある人もいるのではないでしょうか。 アカデミーが今回まとめたのは、こうした状況への回答です。AIは映画制作のツールとして使える。ただし、俳優賞と脚本賞は人間の表現を評価するものである、という線引きです。「AIを使った映画を全面的に排除する」のではなく、評価の対象を「人間の創作」に明確に絞った、という整理に近いです。 「AIを使った」と「AIが中心だった」の違い 今回のルールで問われているのは、AIをどう使うかではなく、人間がどこにいるか、です。 脚本の構成案をAIに出させて、そこから人間がゼロから書き直した場合はどうか。AIが生成した初稿を人間が大幅に加筆した場合は。現時点のルールは、こうした細則まで明示していません。アカデミーが「疑義がある場合は追加情報を求める」としているのは、判断がケースバイケースになることを前提にしているからです。 読んでいて引っかかったのは、この「人間が創作の中心にいたか」という問いの広がりです。映画賞のルールですが、資料作成、コンテンツ制作、デザイン、広告コピーなど、成果物に責任が伴う仕事全般で同じ問いが立ち始めています。「AIを使ったか否か」だけでは、もはや問いとして不十分になってきているのです。 AIを仕事で使うとき、責任はどこにあるか AIに下書きを任せた文章、AIが生成した画像をベースにしたデザイン、AIが提案した構成をそのまま使ったプレゼン資料。どれもAIを使ったという点は同じでも、どこに人間の判断が入っているかは大きく異なります。 会社でAI導入が進むと、「誰の同意で、誰の判断で、どこに人間の表現が残っているか」という問いは避けられなくなってきます。アカデミーはその問いを、賞の基準という形で明文化しました。映画業界の出来事ではありますが、仕事でAIを道具として使うすべての人に関係する論点が、このルールには詰まっています。 第99回アカデミー賞の審査が動き出す2026年8月以降、このルールが実際にどう運用されるかは、映画業界だけでなくAIを使う仕事人全体への問いにもなります。わたしとしては今のうちに、自分の仕事のどこに判断と責任があるかを整理しておきたいと思っています。 参考 TechCrunch - AI-generated actors and scripts are now ineligible for Oscars(https://techcrunch.com/2026/05/02/ai-generated-actors-and-scripts-are-now-ineligible-for-oscars/) Academy Press Office - AWARDS RULES AND CAMPAIGN PROMOTIONAL REGULATIONS APPROVED FOR 99TH OSCARS(https://press.oscars.org/news/awards-rules-and-campaign-promotional-regulations-approved-99th-oscarsr) AP News - Oscars organization expands international film eligibility, addresses AI in new rules(https://apnews.com/article/oscars-new-rules-artificial-intelligence-international-film-95a66f19bd0a95d371ac82f21df1a0f4) 米映画芸術科学アカデミー 第99回アカデミー賞完全ルール(https://www.oscars.org/sites/oscars/files/2026-05/99th_oscars_complete_rules.pdf?VersionId=84FilOcTNI7wpFAxl56.8xesZyP5.UWl)

May 3, 2026 · 1 min · AI Navi JP編集部
米国防総省の機密ネットワークAI契約を説明する図解

米軍がChatGPT系AIを機密ネットワークへ 政府のAI利用、今どこまで進んだか

米国防総省が2026年5月1日に発表した契約は、生成AIを機密情報を扱うネットワークの中へ組み込んでいく段階に踏み込みました。これまで非機密の文書作成や調査支援が中心だった軍内のAI利用が、機密データを直接扱う基盤へと広がります。日々の業務で使うチャットツールとしての生成AIとは別の領域に、AIの利用範囲が伸びてきた形です。 国防総省が8社のAIを機密ネットワークへ展開する契約を結んだ 契約対象は8社です。SpaceX、OpenAI、Google、NVIDIA、Reflection、Microsoft、Amazon Web Services(AWS)、Oracleが名を連ねています。 初報の一部ではOracleを含まない7社と報じられました。国防総省の公式リリースでの正式な数字は8社です。 目的は、これらのAI機能を「合法的な作戦利用」のために展開すること。具体的な用途はデータ統合、状況把握、複雑な作戦環境での意思決定支援です。言い換えると、これまで人間の判断に頼ってきた情報整理と状況把握の一部を、AIが担う体制に変えていくということです。 公式リリースが「単一ベンダー依存を避け、長期的な柔軟性を確保するアーキテクチャを作る」と表現しているのが、わたしにはちょっと引っかかります。特定企業への依存を意図的に避けようとしている。その姿勢が、今回の複数社契約という形に出ているわけです。 今回が「AIを初めて使い始めた」発表ではない理由 展開先として示されているのが「Impact Level 6(IL6)」と「Impact Level 7(IL7)」というネットワーク環境です。 米政府のクラウドセキュリティ基準で、扱えるデータの機密レベルを区分するものです。国家安全保障にかかわる重要情報を扱う高セキュリティ環境、と理解しておくといいと思います。 ただし今回の発表は、米軍がAIを使い始めたニュースではありません。 国防総省は2025年12月9日、生成AI専用のプラットフォーム「GenAI.mil」を立ち上げています。最初に導入したのはGoogle Gemini for Governmentで、文書作成・調査・画像動画分析といった業務から始まりました。TechCrunchの報道では、この段階では非機密タスクが中心と説明されています。今回の契約は、その非機密から機密へという拡張の一歩にあたります。 GenAI.milは立ち上げから約5か月で130万人超の国防総省関係者が利用し、数千万件のプロンプトと数十万のエージェント利用があったと公式は述べています。実験的な規模はすでに超えていました。 今回の発表は、そのGenAI.milを機密レベルの高いネットワーク環境へ広げ、複数ベンダー体制に移行するものです。「試験導入の延長」ではなく、重要業務の基盤として組み込んでいく段階と見るのが自然です。 AI企業が持つ利用条件と、契約への影響 今回の発表でもう一つ大きいのが、Anthropicが契約対象に入っていない点です。 Military Timesの報道によれば、AnthropicはAIの自律兵器や国内監視につながる用途への制限を主張したとされています。国防総省との条件交渉で折り合いがつかず、今回の契約から外れた形です。 断定はできません。あくまで報道ベースの文脈です。ただ、AI企業が「どこまでの使い方を許可するか」という条件を持ち、それが実際の契約先の選定に影響しうる構図は見えてきます。 性能だけで選ばれるのではなく、用途の範囲をどう決めるかという条件が取引の中心に来る。これは政府向けAI動向として、実際に起きた事例です。 「アメリカの軍の話」として横に置くのは少し待って 職場でのAI利用について考えているなら、このニュースの構図は他人事ではありません。 政府や大きな組織がAIを業務の中枢に近い場所へ入れようとするとき、必ず問われるのが「何を処理させるか」と「誰が最終判断を持つか」です。便利さとセキュリティの両立は、組織が大きくなるほど単純ではなくなります。 自治体、医療、金融、法務、製造など、機密情報を扱う現場では、AIに渡してよい情報と渡してはいけない情報の仕分けが問われていきます。AIを使うという意思決定と同じくらい、どんな条件でどこまで使うかを決める場面が増えていく。 今回の米国防総省の動きは、組織でのAI導入判断を考えるうえで参照できる先行事例の一つです。 参考 U.S. Department of Defense – Classified Networks AI Agreements(https://www.war.gov/News/Releases/Release/Article/4475177/classified-networks-ai-agreements/) TechCrunch – Pentagon inks deals with Nvidia, Microsoft, and AWS to deploy AI on classified networks(https://techcrunch.com/2026/05/01/pentagon-inks-deals-with-nvidia-microsoft-and-aws-to-deploy-ai-on-classified-networks/) Nextgov/FCW – Pentagon makes agreements with 7 companies to add AI to classified networks(https://www.nextgov.com/artificial-intelligence/2026/05/pentagon-makes-agreements-7-companies-add-ai-classified-networks/413264/) Military Times – Pentagon freezes out Anthropic as it signs deals with AI rivals(https://www.militarytimes.com/news/pentagon-congress/2026/05/01/pentagon-freezes-out-anthropic-as-it-signs-deals-with-ai-rivals/) Defense News – Pentagon taps Google Gemini, launches new site to boost AI use(https://www.defensenews.com/pentagon/2025/12/09/pentagon-taps-google-gemini-launches-new-site-to-boost-ai-use/) ※当サイトのリンクにはアフィリエイトリンクが含まれる場合があります ...

May 2, 2026 · 1 min · AI Navi JP編集部
OpenAI Advanced Account Security - ChatGPTのセキュリティ強化設定

ChatGPTのログインをパスワードなしにできる。OpenAIの新セキュリティ設定で何が変わるか

ChatGPTに何を入れていますか。仕事の企画案、転職の相談、健康の悩み。気づいたら、かなり深い内容を預けていますよね。 メールやSNSと違って、ChatGPTのアカウントにはその人の思考の断片が積み重なっていきます。乗っ取られたとき何が漏れるかを想像すると、ちょっと怖いものがあります。 OpenAIは2026年4月30日、ChatGPTのログインをパスワード不要の方式に完全切り替えできる新設定「Advanced Account Security」を公開しました。 OpenAIが公開した新設定。Webブラウザ版のSecurity設定ページで、2026年4月30日から有効化できます。 パスキーとは何か。パスワードがいらない理由 Advanced Account Securityの話に入る前に、パスキーについて簡単に確認しておきます。 パスキーは、スマートフォンの顔認証や指紋認証でアカウントにサインインする仕組みです。パスワードを入力する代わりに、あなたの端末の生体認証がログインの鍵になります。 フィッシング詐欺が通じません。偽サイトに誘導してパスワードを入力させる古典的な手口は、そもそも入力するパスワードがないので成立しないからです。 物理セキュリティキー(YubiKeyなどの小型デバイス)も同じ考え方で、USBやNFCで接続する鍵が認証を担います。 有効化すると何が変わるか Advanced Account Securityをオンにすると、サインインはパスキーまたは物理セキュリティキーだけに限定されます。 パスワードによるログインは無効になります。メールやSMSで送られてくるコードでのサインインも、同様に使えなくなります。パスワードが流出しても、フィッシングに遭っても、物理的な認証手段がない限りアカウントにはアクセスできない状態になります。 もうひとつ、見落とされがちな変化があります。この設定を有効にしている間、そのアカウントの会話はOpenAIのモデル学習に使われません。セキュリティ強化と、データ利用停止が同時に適用される仕様です。 対象はChatGPTのアカウントで、同じログインを使うCodex(OpenAIのコード生成・実行サービス)アカウントにも保護が適用されます。 有効化の流れ。「少なくとも2つの安全なサインイン方法」の登録と、復旧キーの保存が条件になります。 OpenAIがYubicoと組んだタイミング 今回の発表と同時に、OpenAIはセキュリティキー専業メーカーのYubicoとの提携も発表しました。 OpenAI向けのカスタムYubiKey(YubiKey C NFCとYubiKey C Nanoの2本セット)が優待価格68ドルで購入できる導線が用意されます。ただし、この購入案内が表示されるのは米国・英国・EUのユーザー向けで、日本ユーザーへの展開は現時点で明示されていません。 日本からでも、FIDO2規格(パスキーや物理キーが使う認証の国際標準)に対応した別のセキュリティキーや、スマートフォンのパスキーで同等の設定は行えます。 ちょっと気になるのは、このタイミングです。単なるセキュリティ強化にとどまらず、CodexやAIエージェント系のサービスが広がる中で、強い権限を持つアカウントを守る準備にも見えます。OpenAIが2026年6月1日から、サイバー防御組織「Trusted Access for Cyber」の個人メンバーに対してAdvanced Account Securityを必須化する予定を発表していることも、その流れと一致します。 ChatGPTがコードを書き、ファイルを操作し、外部サービスに接続して作業を代行するツールになりつつある今、ログインまわりの強化は遅いくらいだったかもしれません。 有効化前に確認すること 設定を入れる前に、ふたつの点を確認しておく価値があります。 復旧キーをなくすとアカウントに戻れない Advanced Account Securityを有効にするには、少なくとも2つの安全なサインイン方法を登録し、復旧キーを保存する必要があります。 すべてのサインイン方法と復旧キーを失うと、アカウントに戻れなくなる可能性があります。復旧キーはパスワードマネージャーやオフラインの安全な場所に保存しておくのが現実的です。 Enterpriseアカウントは対象外 ChatGPT Enterprise、企業管理ドメインに紐づくアカウントでは現在利用できません。会社支給のアカウントや企業の管理下にあるアカウントは対象外となります。 どんな人が検討すべきか 全員が今すぐ有効化すべきかというと、そうは言い切れません。 仕事のドキュメント、顧客対応文案、コード、健康・家族に関わる内容をChatGPTで扱っているなら、検討に値するセキュリティ水準です。一方、献立の相談や軽い調べ物が中心であれば、急ぐ必要はありません。 設定はWeb版のSecurity設定ページから行えます。2026年4月30日から有効化できる状態になっています。 OpenAIがこの時期にセキュリティを強化している背景については、OpenAIとMicrosoftの非独占クラウド契約の件も合わせて読むと、事業の裾野を広げながら同時にアカウントの信頼性を高める動きが見えてきます。 参考 OpenAI - Introducing Advanced Account Security(https://openai.com/index/advanced-account-security/) OpenAI Help Center - Advanced Account Security for ChatGPT accounts(https://help.openai.com/en/articles/20001221) OpenAI Help Center - Passkeys to secure your OpenAI account(https://help.openai.com/en/articles/20001039-passkeys-to-secure-your-openai-account) TechCrunch - OpenAI announces new advanced security for ChatGPT accounts, including a partnership with Yubico(https://techcrunch.com/2026/04/30/openai-announces-new-advanced-security-for-chatgpt-accounts-including-a-partnership-with-yubico/) Axios - OpenAI now lets users use passkeys instead of passwords(https://www.axios.com/2026/04/30/openai-chatgpt-logins-passkeys) Business Wire - OpenAI and Yubico Partner to Bring Custom Phishing-Resistant YubiKeys to OpenAI Users(https://www.businesswire.com/news/home/20260430610986/en/OpenAI-and-Yubico-Partner-to-Bring-Custom-Phishing-Resistant-YubiKeys-to-OpenAI-Users)

May 1, 2026 · 1 min · AI Navi JP編集部
Microsoft 365 Copilotの有料導入が広がる職場AIの図解

Microsoft 365 Copilotの有料ユーザーが2,000万人を超えた。職場AIが「試してみよう」から予算の話になってきた

会社のパソコンを開くと、WordにもExcelにもOutlookにも、Copilotのアイコンが増えてきた——という方、けっこういるのではないでしょうか。「使う機会あるかな」と思いながらスルーしてきた方もいれば、すでに業務に使い始めた方もいます。 2026年4月29日、MicrosoftはFY26 Q3(2026年1〜3月期)の決算を発表しました。その決算コールの中で、CEOのSatya Nadella氏がMicrosoft 365 Copilotの有料商用シートが2,000万に達したと述べました。TechCrunchがこの発言を報道しています。 2,000万シートという数字が意味すること 「シート」というのは、1人のユーザーが使うためのライセンスのことです。つまり、Copilotを月額料金を払って使っている企業ユーザーが、世界で2,000万人を超えたということです。 Microsoft 365はWord、Excel、PowerPoint、Outlook、Teamsといったオフィスソフトのセットで、会社支給のパソコンに入っているケースが多いソフトです。その上にAI機能として乗るのがCopilotで、別途料金がかかります。つまり、すでにMicrosoft 365を契約している会社が、追加でCopilotの費用を払って導入を進めているという流れです。 Nadella氏はあわせて、ユーザー1人あたりのクエリ数(AIに指示を出した回数)が前四半期比で約20%増えたとも述べています。週次のエンゲージメント(週に1回以上Copilotを使う割合)がOutlookと同水準になっている、という発言もTechCrunchは報じています。Outlookはほぼ毎日使うメールソフトです。それと同等の使用頻度というのは、「試しに触ってみた」状態を明らかに超えています。 決算資料でもMicrosoft 365 Commercial cloudの売上成長(前年比19%増)の要因として、Microsoft 365 E5(上位プラン)とMicrosoft 365 Copilotの2つが挙げられています。AI機能が売上成長の柱になってきた、ということが数字から見えます。 Word・Excel・PowerPointの中でAIが複数ステップの作業を進める 数字の話だけでなく、機能の面でも大きな変化がありました。 2026年4月22日、MicrosoftはWord、Excel、PowerPointのCopilotに搭載した「エージェント機能」の一般提供(GA)を発表しました。「エージェント機能」というのは、1回の指示で終わるのではなく、複数のステップにわたって作業を進めていくAIの動き方のことです。 たとえばWordでは、「この報告書のドラフトを、前回の会議メモをもとに更新して」という指示に対して、関連ファイルを参照しながら文章を修正するという一連の動作をCopilotが進めます。ExcelやPowerPointでも同様に、表のデータ分析やスライドの更新といった複数手順が必要な作業を実行します。 ただし、Copilotが勝手に保存・送信することはありません。作業の途中でユーザーが確認・修正できる設計です。公式ブログでも「ユーザーがコントロールを保つ」という点を強調しています。最終的な判断は人間が行う、という前提で動く仕組みです。 日本語価格の目安と確認すべきこと 気になる方のために、日本語の価格ページで公開されている情報を書いておきます。Microsoft 365 Business StandardにCopilot Businessを追加した場合、年払いで月額相当3,298円から。Business Premiumプランでは4,797円からという表示があります(いずれも税別、表示は期間限定とされています)。 ただし価格ページには市場提供に関する注意表示もあるため、実際に購入できるかどうかや現在の価格は、法人契約の担当部署または販売パートナーに確認するのが確実です。 会社でWord・Excel・PowerPoint・Outlook・Teamsを使っている方にとっては、日常の作業に直接関わります。会議メモから議事録を作る、提案書の下書きを更新する、Excelの表から傾向を確認する、スライドの内容を整える。こういった作業が対象になってきます。 気になること——アクセス権とデータの扱い 便利そうな側面だけを書いておけない点もあります。 Copilotは指示したユーザーがアクセスできるファイルや情報をもとに動くので、アクセス権の設定が意図どおりになっているかが前提として重要です。「自分がアクセスできる範囲のファイルを参照する」ということは、設定次第では見せたくないデータが作業に混入するリスクにもなります。 顧客情報や機密資料をCopilotに渡す場合は、社内のポリシーを確認してから使うのが基本です。また、Copilotの出力は参考にはなりますが、最終的な文章や数値は自分の目で確認する必要があります。 焦点は、費用負担の決め方です。現場の担当者がCopilotを使いたいと思っても、ライセンス追加は会社の購買・IT部門の決裁が必要になる場合がほとんどです。2,000万シートという数字は「企業が費用を正式に認めた」件数でもある。その意味では、AIをとりあえず試すフェーズから、予算として認める会社が増えたフェーズへ、という読み方ができます。決算コールで強調されたこと自体、MicrosoftがこれをAI投資の正当化に使っていることの表れでもあります。 こうした企業同士の契約関係といえば、OpenAIとMicrosoftのクラウド契約見直しの記事でも、両社の関係がどう変化しているかをまとめています。Copilotの背景を理解する参考にどうぞ。 参考 TechCrunch - Microsoft says it has over 20M paid Copilot users and they really are using it(https://techcrunch.com/2026/04/29/microsoft-says-it-has-over-20m-paid-copilot-users-and-they-really-are-using-it/) Microsoft Investor Relations - FY26 Q3 Productivity and Business Processes Performance(https://www.microsoft.com/en-us/Investor/earnings/FY-2026-Q3/productivity-and-business-processes-performance) Microsoft Investor Relations - FY26 Q3 Metrics(https://www.microsoft.com/en-us/investor/earnings/fy-2026-q3/metrics) Microsoft 365 Blog - Copilot’s agentic capabilities in Word, Excel and PowerPoint are generally available(https://www.microsoft.com/en-us/microsoft-365/blog/2026/04/22/copilots-agentic-capabilities-in-word-excel-and-powerpoint-are-generally-available/) Microsoft - Microsoft 365 Copilot 価格(https://www.microsoft.com/ja-jp/microsoft-365-copilot/pricing-new)

April 30, 2026 · 1 min · AI Navi JP編集部
AmazonのAI音声要約に質問機能「Join the chat」が追加

Amazonの商品ページでAIに質問できる。レビューを読む買い物はどう変わるか

ネットで何かを買う前に、レビューを何件読みますか。10件? 20件? チクチクしないかどうか、初心者でも扱えるかどうか、洗い方はどうか。気になることが出るたびに、ページをスクロールして探す。この手間、けっこうかかりますよね。 Amazonが2026年4月28日に米国向けにロールアウトした「Join the chat」は、その手間を変えようとする機能です。 Amazonが米国向けに公開した「Join the chat」。商品ページの音声要約を聞きながら、その場でAIに質問できる(画像: Amazon公式) 音声を聞きながら、その場で「チクチクしない?」と聞ける Amazonはすでに「Hear the highlights」という機能を米国向けに展開しています。商品ページを開くと、AIホストが商品の特徴やレビューの要点を短い音声でまとめてくれるものです。2025年5月に一部ユーザー向けとしてテストが始まり、現在は数百万の商品ページに広がっています。 Join the chatは、この音声要約の上に乗る機能です。要約を聞いている途中に、テキストまたは音声で質問を投げかけると、AIホストがリアルタイムで答えてくれます。答え終わると音声要約に戻る、という流れです。 Amazon公式が挙げた質問例は、こういったものです。 「このコーヒーメーカー、初心者でも使える?」 「このセーター、チクチクしない?」 「この食器、食洗機で洗える?」 商品説明欄を探したり、レビューを何十件とスクロールしたりしなくても、聞いてしまえばいい。そういう設計です。 回答は商品詳細、カスタマーレビュー、公開情報をもとに作られます。Amazon公式によると、質問前にすでに説明された内容を考慮するそうです。同じ説明を繰り返さず、新しい情報を返す設計になっています。 展開は2026年4月28日から、米国のiOSとAndroid向けに開始されました。ただし、すべての商品が対象ではありません。音声要約のないページではJoin the chatも利用できません。今日時点では、「米国アプリの一部商品で始まった買い物体験の実験」と見ておくのがちょうどいいです。 Amazonが積み上げてきたAIショッピング体験の文脈 Join the chatは単体の機能ではなく、Amazonが段階的に構築してきた買い物体験の一部です。 すでにAmazonには、商品について質問できる生成AIアシスタント「Rufus」があります。興味のある分野の商品を追いかける「Interests」、複数商品から候補を提案する「Help me decide」もあります。今回のJoin the chatは、商品ページを開いた後の確認作業にAIを入れる機能です。 商品を探す→絞り込む→詳細を確認する、というネット通販の各ステップに、AIが入り込んできています。GoogleがGeminiをスプレッドシートに組み込んだ動きと同じ方向で、AIが日常ツールの中に入り込む流れは複数のプラットフォームで同時に進んでいます。検索ボックスに打ち込む代わりに、使っている画面の中で聞く、という入口の変化です。 AIが選んだレビューは外からわからない ちょっと気になるのは、AIが「どのレビューを拾ったか」が見えない点です。 カスタマーレビューは玉石混交で、同じ商品に対してまったく逆の評価が並ぶこともあります。AIが要約するとき、数千件あるレビューのうちどの声を重視したのか、購入者全体の傾向をどう扱ったのかは、読み上げられる要約からは読み取れません。 Amazonはすでに、AIが購入判断に直接影響する場面を広げています。便利さと引き換えに、情報の取捨選択をAIに委ねる場面が増えることは、頭の隅に置いておいてください。 日本のAmazon.co.jpでの提供については、今回の公式発表に時期の記載がありません。現時点では米国市場の動きとして見ておく段階です。 参考 Amazon公式 - Amazon’s ‘Hear the highlights’ shopping feature now lets you ask questions and get real-time answers(https://www.aboutamazon.com/news/retail/amazon-hear-the-highlights-join-the-chat) Amazon公式 - Amazon’s new generative AI-powered audio feature synthesizes product summaries and reviews to make shopping easier(https://www.aboutamazon.com/news/retail/amazon-ai-shopping-features-hear-the-highlights) TechCrunch - Amazon launches an AI-powered audio Q&A experience on product pages(https://techcrunch.com/2026/04/28/amazon-launches-an-ai-powered-audio-qa-experience-on-product-pages/)

April 29, 2026 · 1 min · AI Navi JP編集部
OpenAIとMicrosoftの提携再改定を示すヘッダー画像

OpenAIとMicrosoftの独占がゆるむ。ChatGPTとCopilotの提供ルートで何が変わるか

ChatGPTを使うとき、「どのコンピューターで動いているか」を考える人はほぼいません。画面が開いて返事が返ってくれば十分。それはまったく自然です。 でも、企業がChatGPTを業務に組み込もうとする場面では、「どのクラウドを経由して使えるか」が話の起点になります。自社のシステムがどこで動いているか、セキュリティポリシーがどのサービスに対応しているか。そういった事情が、導入できるかどうかの判断を左右するからです。 その構造が、今週変わりました。 2026年4月27日発表。OpenAI製品がAzure以外のクラウド経由でも提供可能になった。 「Azure専用」から「どのクラウドでも」へ Microsoftは2026年4月27日、OpenAIとの提携契約を改定したと公式ブログで発表しました。 変更のポイントは一点です。これまでOpenAIの製品は、Microsoft Azureというクラウドを通じた提供が原則でした。クラウドは、企業や開発者がAIを動かすための巨大な貸しコンピューターのようなものです。 今回の改定で、OpenAIはすべての製品を、任意のクラウドプロバイダー経由で顧客に届けられるようになりました。 MicrosoftはOpenAIの主要クラウドパートナーとして残ります。Azure上での提供は引き続き優先されますが、Microsoftが対応できない機能については例外が認められる形です。 「独占」から「優先」へ。改定後の関係は、そう整理できます。 収益の面でも変化があります。MicrosoftからOpenAIへの収益分配は終了します。一方、OpenAIからMicrosoftへの収益分配は2030年まで続く予定で、総額に上限が設けられています。 技術ライセンスは2032年まで有効ですが、こちらも独占ではなく非独占の形になっています。 なぜ今、この改定が成立したのか Associated Pressの報道によると、OpenAIはすでにAmazon、Google、Oracleといった複数のクラウド事業者との提携を進めていました。今回の改定は、その方向性を法的に整理したものです。 特にAmazonとの提携が焦点でした。TechCrunchの報道では、OpenAIとAmazonの間には最大500億ドル規模の提携が進んでおり、AWS Bedrockというサービス上でOpenAIのモデルを使えるようにする計画と、AIエージェント向けの基盤技術を共同開発する内容が含まれていたとされています。金額だけを見ても、OpenAIがクラウド容量の確保を事業の中心課題として扱っていることがわかります。 今回の契約改定が成立したことで、このAmazonとの大型提携をめぐる法的な不確実性が解消された、というのがTechCrunchの整理です。OpenAIには、Amazonとの提携を進めるためにMicrosoftとの関係を整理する事情がありました。 改定前後のOpenAI製品の提供ルート。Azure優先は維持しつつ、他クラウドへの提供が可能になった。 ChatGPTの画面は変わらない。変わるのは選べる幅 個人でChatGPTを使っている人が、今日から何かを設定し直す話ではありません。料金が変わるわけでも、機能が増えるわけでもありません。 変わるのは、企業が「どのAIを、どのシステム基盤の上で使うか」を選ぶときの選択肢です。Microsoft 365 Copilotを中心に使う会社は、引き続きMicrosoftの仕組みの中でOpenAI技術に触れます。 一方で、AWS中心の会社がChatGPT系の機能を業務システムに組み込みたい場合、Azure前提ではない選択肢が見えてきます。CopilotとChatGPTが別々の入口から同じ職場に入ってくる。そんな構図です。 社内のシステムをAWSで運用している会社が「ChatGPTをAWS経由で使いたい」と考えても、これまでは制度的に難しい面がありました。今後はAWS Bedrock上でOpenAIのモデルを使えるようになる予定です。ただし、具体的なサービス提供は「今後数週間」とされており、今日から全面提供というわけではありません。 ちょっと気になるのは、日本の中堅・中小企業がこの変化をどう受け止めるかです。国内ではNECとAnthropicの提携のように、AI導入を後押しする動きが続いています(NECがAnthropicと組んで日本の企業向けAIを展開する動き)。今回の改定で「どのクラウドを前提にするか」を見直す会社が出てくるとしたら、それは2026年後半から2027年にかけての話になりそうです。 「どのAIが賢いか」だけでなく「自社システムに乗せられるか」「サポート体制が整っているか」で選ぶ場面が増える流れは、今回の改定で加速します。 「提携解消」ではない。MicrosoftはOpenAIの最重要パートナーのまま MicrosoftはOpenAIへの巨額投資から始まり、Azure基盤でChatGPTの急成長を支えてきた会社です。 今回の改定は、両社の関係を解消するものではありません。独占色を弱めた再設計です。OpenAIがAzure一社への依存を段階的に分散しながら、Microsoftとの関係を維持する形に整えたと見るのが正確です。 2032年まで続く技術ライセンス、2030年まで続く収益分配。この二つを見ても、両社が向こう数年の重要なパートナーであることに変わりはありません。変わったのは「独占」という言葉がなくなったことと、それに付随して企業の選択肢の幅が広がった、その二点です。 参考 Microsoft Official Blog - The next phase of the Microsoft-OpenAI partnership (https://blogs.microsoft.com/blog/2026/04/27/the-next-phase-of-the-microsoft-openai-partnership/) TechCrunch - OpenAI ends Microsoft legal peril over its $50B Amazon deal (https://techcrunch.com/2026/04/27/openai-ends-microsoft-legal-peril-over-its-50b-amazon-deal/) Associated Press - Microsoft cuts OpenAI revenue share in a fresh step to loosen their AI alliance (https://apnews.com/article/2a44fa94da6913074f97f916332b33f6) ITmedia NEWS - OpenAIとMicrosoft、提携契約を再改定 OpenAIはAWSなど任意のクラウドで製品提供可能に (https://www.itmedia.co.jp/news/articles/2604/28/news050.html) Impress Watch - MSとOpenAI、独占的ではない"柔軟"な提携へ移行 (https://www.watch.impress.co.jp/docs/news/2105119.html)

April 28, 2026 · 1 min · AI Navi JP編集部
Google スプレッドシートのFill with Gemini機能のヘッダー画像

Google スプレッドシートにGeminiが入る。何が変わり、誰が使えるか

表計算の仕事で一番時間がかかるのは、関数でも分析でもなく「とにかくセルを埋める作業」だったりします。顧客リストの業種分類、問い合わせへの返信案、商品説明の項目入力——似たパターンが延々と続くのに、手を動かし続けなければならないあの時間。その部分をGeminiが引き受ける機能「Fill with Gemini」が、Google スプレッドシートに加わりました。 入力済みデータの文脈に合わせて、残りを埋める Google Workspace Updatesブログで2026年4月22日に公開された情報によると、Fill with Geminiは入力済みのデータや自然文の指示から文脈を推測して、空欄のセルに情報を自動入力する機能です。 これまでのオートフィルは、連番・日付・同じ値のコピーなど、パターンが決まった値を伸ばすものでした。Fill with Geminiはその先へ進んで、「入力された内容の意味を理解したうえで適切な値を補完する」という設計になっています。 Googleが95人の参加者を対象に実施した100セル入力タスクの比較があります。手入力と比べて最大9倍速く完了できたとしています。9倍という数字は作業内容や確認時間によって変わりますが、分類や補完が中心の繰り返し入力では、体感できる時間の差が出てくるはずです。 2種類の操作と、何ができるか 操作の入り口は大きく2通りあります。 ひとつ目は、列に少なくとも1つ入力済みのセルがある状態でドラッグする方法です。既存の内容をGeminiが参照して、残りのセルを文脈に合わせて埋めます。企業名が1件入っている列で操作すると、業種や所在地を推測して入力するような動作です。 ふたつ目は、空のセルを複数選んで自然文で指示する方法です。「この列に問い合わせへの返信案を入れて」「商品の特徴を50文字以内で入れて」のようにテキストで指定すると、Geminiが内容を生成します。 Googleが挙げている対応ケースは、情報の抽出、データの分類、返信案の作成、商品情報の入力など。関数の書き方を知らなくても使えるのが特徴です。表の空欄を埋める作業を、指示ベースで代行してもらえる設計になっています。 なお、同じ日にGoogleはGemini in Sheetsで表全体を自然文から作成・編集する機能も発表しています。数式、ピボットテーブル、グラフ、最適化問題まで自然文で操作できるとしていて、Fill with Geminiと合わせると、Sheetsに関わる作業の幅は大きく変わります。 対象プランと展開状況、日本語対応の現状 便利そうに見えますが、今すぐ全員が日本語で使えるわけではありません。 言語と地域については、GoogleヘルプにFill with Geminiの列補完機能は現時点で米国・英語のみ対応と明記されています。日本語環境への対応時期は、2026年4月27日時点では公式に示されていません。 対象プランはBusiness Standard、Business Plus、Enterprise Standard、Enterprise Plus、AI Expanded Access、AI Ultra Access、Google AI Pro for Education、Google AI Pro、Google AI Ultraのいずれかです。個人向けの無料プランやBusiness Starterは対象外です。 展開スケジュールについては、Rapid Releaseドメインへの段階展開が2026年4月22日開始で最大15日間、Scheduled Releaseドメインは2026年5月6日開始で最大15日間です。対象プランを使っていても、表示されるタイミングは組織の設定次第です。 加えて、管理者のスマート機能設定も関係します。Google Workspaceのスマート機能が管理者によって無効化されている組織では、この機能は表示されません。会社の環境で使う場合は、IT管理者への確認が必要なケースがあります。 ...

April 27, 2026 · 1 min · AI Navi JP編集部